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2013.02.08
海であったかもしれない、その水たまりを、誰かは容易に跳び越えてしまう。とめどなく溢れながらこぼれながら変遷していく歴史だったかもしれない、それが映す風景の色味について、語ることもなく。

模型の中で迷子になる。白地図。砂漠のようになめらかな凸凹の住宅街には、図鑑で見知った動物たちの、無数の足跡が埋もれている。ぴかぴかしているコンクリートを敷き詰めたのはきっと神様で、その下に眠る僕たちの骨は次の世界の栄養になるだろう。ねえ、近道をさがして。練り歩いた夢の裏側へ案内されてみたい。

ここはまだ陸地、声が聞こえている。

この愛しい言葉たちをまだ知らなかった頃、幾つもの物語に生きていたような気がする。巡り会えない人々との約束を胸に抱きながら。星霜、潮風にさらされて、痩せほそった舟の上で揺られながら。

横断歩道の、有機的な香り。ぶ厚い本の内側までは逢いにいけない代わりに、今ここで立ちどまってみる。光りは暮れていき、暗やみは育つ。それでも鮮やかな言葉の波が、瞼に打ち寄せ、ひびいている。

(内陸)
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