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2012.08.31
よく熟れた
桃の香りのする深夜
冷蔵庫をそっと開けて
ボトルのキャップをしずかにゆるめ
つめたい氷のようなグラスに
滾々とそそぐ麦茶の色

なんだか、べっこうのようだ

読みかけの本の
句読点の位置に
わずらわしくなる
車内の冷房
乗換までにこの段落を終えて
次の場面はきっと君に
視線を奪われていたいとでも
いって
わらって

ステンレスの指輪も
ときに饒舌に愛を語ろうとする
時間のすぎたことを
まるで縫い目を継ぎ足すように
懐かしく思い出している
しおり
はらはらと風に落ちる

電話は夏の質感を
すこしだけ硬くして
融けそうな肌と相反するシンボル
もしくは忠告の気配を
私によこして ひどく暑くて

あ、まだここにあるみたいだ
新幹線の心細さ
ビジネスホテルのベッドと
枕元のライト 土産の洋菓子の箱
どこまでも遠い日記の底にまで
名前を付けて
いつ呑み込もう

(まだ長くもっとあまく)
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