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2013.02.08
海であったかもしれない、その水たまりを、誰かは容易に跳び越えてしまう。とめどなく溢れながらこぼれながら変遷していく歴史だったかもしれない、それが映す風景の色味について、語ることもなく。

模型の中で迷子になる。白地図。砂漠のようになめらかな凸凹の住宅街には、図鑑で見知った動物たちの、無数の足跡が埋もれている。ぴかぴかしているコンクリートを敷き詰めたのはきっと神様で、その下に眠る僕たちの骨は次の世界の栄養になるだろう。ねえ、近道をさがして。練り歩いた夢の裏側へ案内されてみたい。

ここはまだ陸地、声が聞こえている。

この愛しい言葉たちをまだ知らなかった頃、幾つもの物語に生きていたような気がする。巡り会えない人々との約束を胸に抱きながら。星霜、潮風にさらされて、痩せほそった舟の上で揺られながら。

横断歩道の、有機的な香り。ぶ厚い本の内側までは逢いにいけない代わりに、今ここで立ちどまってみる。光りは暮れていき、暗やみは育つ。それでも鮮やかな言葉の波が、瞼に打ち寄せ、ひびいている。

(内陸)
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2013.02.07
身体に金具を埋めてしまって
途方に暮れる
ある 冬

舗道の敷石には
ねそべる猫が鳴きもせず
渇いている
とじられた傘の花模様は賑やか
そこを過ぎていく

胃には十分にあたたかな言葉が
あるいは同じように凍えていた肌の
煙たい温度が
貼りついている

傷は石
熱は水
痛みも忘れてただ歩いている

(雪のち晴れ)
2013.02.03
眠りまでの
些細なふるえの連続と
かなしみのかたちに似ている
窓枠の
奇妙な整列

なんだか今は
身体の中の波打つ熱が
手放せない旅の記憶みたいだ

かつての気質は
忘れても差し支えないような
置きものの風情で

いつか顔を上げて覚めるとき
揺るぎなく向かう先に
どこだったか見知らぬ土地の影を
嗅ぎとってしまいそう、


(strange smell)
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