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2012.07.27
額にぬるい汗が伝う
聞こえないふりを
していたわけじゃなくて
隣り合った目線が からみあうのを
待っていただけだよ

窓際 車道は
せわしなく
どんな疲れも
あるいは赦しも
惜しみなく積載している

言葉より確かに
心を打ちあけられるなら
はじめからその手を 握って
答えをいそいでしまったのかも

夏に生まれた 偶然が
ふたりの間に線を引く
どうしても下手な字で
愛をささやく 手順を覚える

降らなかった雨
滲みだす太陽の温度
熱は昇り
その足音のコアをゆるがして
眠いね
みたいな仕草で
次の場所まで
立ち上がった

(継ぎ目)
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2012.07.27
どうしてあなたは
笑っている
下品な冗談で
よく冷えた部屋の天井が
ぐるぐるまわる
幻みたい

その腕の線は
わたしの所有する
どんな輪郭ともちがって
お腹の奥をぐっと押すように
熱くする
いとしい肉

あいしあいたい
ねえわたし
もっと気狂いのように

賢いあなたの
だらしない身体にかぶさる
傷跡のような折れ目
そこを
つよく抱いて名前を呼んだら
どんなに
気持ちがいいだろう

冷蔵庫のミネラル・ウォーター
わすれてしまった
平熱までの道のり
あなた以外の世界を
今は懐かしむことさえ
できない

(心酔と意匠)
2012.07.27
あじさいの
ような淡い青の水彩
ゆめをみていたのは僕だけ
慣れない万年筆のインクが
しろい便箋に滲んだ

あの日付は遠い

風はよく吹き
小道はかすかな日陰になって
野良猫の背をひやしている
いつまでも六月の
蒸すような空の しみる或いは涙のような
きげんのわるさを
のみこんで

汗ばむには
すこし冷たすぎる夜が
迫ってくる
踏切の向こう側 かすかに海のにおいがする
僕の歩幅の小ささを
君は笑って
ただ先を行ってしまう

(二十三歳)
2012.07.27
風はいつまでも
とまったまま
海は彫刻のように凛々しく
わたしたちを飲み込みそうで
こわいな

その手を
握るまでの階段は一、二、
三つまで数えても誰も
私を呼ばない
無言の夏

たおれこんで
影と混ざり合って頭の中は
もう濡れているのに
雨は降らない
予報なんかしらなくて
ビニール傘は
持て余した

定期券
ポケットの中身
捨て損ねたレシートや指輪
あなたの熱はまだここにあって
息をしたら
うごいた
悲しいことなんてなにもないね
そういう瞳の奥の


(晴れ渡る六月の終わり)
2012.07.21
しらない町の すこし湿った夜に
あなたの手をとり
しずかに歩いている
ぱっとしない政治家のポスター
無造作に飾られた植木の
しおれた花たち
わたしは熱に浮かされて
ガードレールはゆがんでいる

足元から くずれそうな
疲労の重なりが
あなたの声の艶っぽさに
変わっていくまでの道のりを見ている
街灯は遠くの塔の影
照らしつけるまでもなく
ゆれる

あなたは立ち止まり 缶を捨てる
きっともう渡らない橋の手前で
呼ばれているような気がする
って
視界をとどめようとする

(食事の後)
2012.07.21
ついに
底にふれたんだ

あなたの背筋は
いやというほど 私の目を奪う
言葉よりも
手に入りそうな
熱をえらんでしまいそうだ

風が
とどくまでの間
じっと待っていた
ガラスのひびきで
扉が開く

その青さの澱みに
手を浸し
足をさらして
ひかりと同化するような
甘い迷路の先
とびこんだら
どうなるでしょう

(ためらい)
2012.07.19
身体には熱がある
冬にみた夜景がふたりの虹彩で揺れている
湿っぽい空気に
雲間のひかりは遠く
転びそうな気がする いつも

その手には迷いがある
せっかちな私の口をふさいで
もうすこし含みのある対話の底で
寄り添おうとしているのかな

唇が嘘をわすれて
つよく抱く腕の線が太くなる
その真上で
どんなふうに動いたって わかっている
ドラマチックな波なんてなくて
うちよせるのは背徳の気配

ふたりには熱がある
いやというほど視線を合わせて
ずっと前から願ってきた
紡いでいた物語を打ち明けようとしてる

汗がにじむ
首筋は透けそうなほどに熟れている
その真下で
顔をゆがめて
それでも笑っていたくて 黙る
みみず腫れ 爪を切って
しくじったことすら
愛せそうで
恍惚としている

(身体の嘘)
2012.07.19
月の光が雲間にさして
どこまでも深い藍色の夜に滲んでいく
手順の違いで僕らは笑って
教えあうときにまた目があって
騒ぐ

胸の中にひとつずつ数えた
許されないやり方でこの日々を踏みちがえて
ようやく出会って
奪い合う

心の形は消えてしまった
その手が握りしめたままに
血が止まって
影が擦れて

二度と会えないような気がする
その直感で
歌を歌う

(助長な夜)
2012.07.19
口の中が乾いて痛い
胃の奥で薬が溶けるのを
待っている
聞きなれたエンジンと
停車するまでの隙間
この窓の向こうが映画だったら
そんなふうに
カップの染み

たまには気が向いて
ハードカバーの文芸書を
あなたは買ってきた
生きるための惣菜や天然水と
いっしょに静かに
食卓に置いた

はじまったばかりの今日は
白く
まだ揺れていて夢みたいだった
骨董品のような生活の部品が
細いひかりを受けて佇んでいる
それは昨日だったっけ
それともその前だっけ
ねえ

あなたはつまらないような顔をしてる
じっとしているのは苦手だったかな
急ぐようにペン先を滑らせて
思考は紙に写し取るようだ
笑う顔もあいまいで 飽きられて 捨てられる
浮かされた指先の合図
ここだよって教える
左手に名残だけのぬくもり
それが日常に文脈をつくるって
実感して
いつも居たい

(栞のない物語)
2012.07.19
夜明けがきて薄いひかりが
カーテンをぬける風の匂いと
まじりあっている

手元のグラスの
とけきった氷のぬるさが もう
私の身体の熱をうばわない

みあきたアルバムも
たまには開いたら
停まったままの物語が
ふいに頭を突き刺した
もう会えない君の声をわすれてる

日々だけはめまぐるしく
泡のように掻き消えていく
かんたんな事実だった
ここにはもうそれだけだよ

君がたとえば居なくても 目の前はあまくて
飛び出せばいつだって
受け入れてもらえそうな
安寧だなあ

(午前4時の筆跡)
2012.07.19
かなしいみたいな
気がするの
その体温をすべて
この腕に抱けないことを
知って

壊れていく
階段の上からただ眺めている
あなたとの嘘
ずっと会いたかった気持ちは
その箱の中に
入っている

ゆけるんだろうか
ゆかないか
選べることを思い出して
傷つく
人のために

(影を探す)
2012.07.10
あなたにふれた場所から
とけて
消えてもいいとおもう
夏の緑の濃い空気も
夜の彩度の低さに
まぎれていく


耳鳴り
この階段を降りると
あなたの声が
聞こえなくなる

金属のように冷静な香りで
私の骨を直接つついているような
ひびきの
名前の

(待ち合わせ遊戯)
2012.07.10
あなたはわたしをみるように
いとしそうに
手の中をみていた

肌と肌は
まじりそうで
けっしてまじらない境界の上を
撫であって
ほてっていた

名前を
おしえてもらった日のことを
おぼえていないよ
いつまにか
溶けだしてきて
頭をひたした
あなたの筆跡

なにか昔のことを
ぬりかえてしまえるほどの
誓いが
今ほしいと、ようやく告げて

あなたは手順を知っている
乗りかえる駅のこと
今はもうあかるい地下鉄の
轟音といってもいいあの躍動のうちがわで
そっと反芻してみる

においをかぐ
その身体にはしみついた
疲労が
汗になって
ここに届く
わたしの心はすこし華やいで
あなたをおもう
まなざしが濃くなる

(紺ぺき)
2012.07.02
あなたの後ろ姿
かきとめて置きたくて
ちょっと
おかしくなる。

手紙は書き慣れて
指輪は錆びついて
口約束はいつしか萎れてしまうか
それでもあなたは
わらってくれる。

どこまでも行けるような
気がしてしまいます
その腕その眼その言葉が
わたしを愛そうとする。

季節は何度でも廻って
ゆきわたる温度 それはしずかに
ふたりの影を
ちかづける。

熱のさめる音
聞こえない音
あなたのふりむくまでに
泣き止んでいたいのに。

(ここにある行き先)
2012.07.02
骨のあたる位置が
誰かとは違う

もうろうとする
夢のような夜の深みで
しずかに銃を手向けるきみは
私の口の中いっぱいに
ある種の苦みを想起させる

白い腕
どうやって傷つけよう
選べることすべて
選びたくて
もどかしい

読みすぎた本の手垢をきらうように
私はすこし反省する
眼を閉じたり開いたりするのも
こらえて
きみを知ろうとする

あなたの関節のかたさが
私には眩しく
下手な言い訳や
火照ってる頬が
もうどうしようもなく いとしい

名前を呼んで
ねむってしまう前に
私のことを
忘れないように

(ふたつ目の扉)
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