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2011.06.29
広い波のうえに
ぽつんと浮かぶ舟のような
まなざし
わたしに降りそそがれる
むかし見た映画のような清新さで
刺さる

手を
とりあって
飛び込んでもいいと思った
あの日の空
眩しくて
そのへんに転がっている景色は
いつまでも平面でしかなかったから
嘘ではないけれど

旅に出てみようか
うしろでじんじんと響いている
苦くてのめなかった薬の効き目が
ようやくわたしの身体をゆらしている
さあ

ひとつずつ
踏み出して

(点から線まで)
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2011.06.29
教科書の数式にひとつひとつ
名前をあげたい
たゆみない線の凛々しさに
沸騰する頭も心も預けられたら
いいのに

愛されるための約束を
握り締めてうまれてきたのに
今日もけっとばした空き缶の行方まで
思いをはせていつのまにか
こんな時間だ

綴じていく
ていねいさが必要だってわかっている
それでもゆらゆらと
軸のない気持ちでも
手にはナイフ

素直になっていたい
言葉をうしなってもいいように
やわらかな舌の動きだけは刻んでおきたい

他人の顔を書くように
真摯に
あなたと出会えたら

(試される場合)
2011.06.29
橋の向こう
ひかりの束は水面に
どこまでも滲む青の境界
どうか届きますように

かきあつめた祈りに
火をともす左利きのあなたは
買ったばかりの言葉で
誰かを傷つける

儀式のようにすべらしていく
目線はいつだって直線だから
逃げ出そうとしても
無理で

声を聞きたかった

(祈り)
2011.06.29
すこしだけ
帰りたくなくなる
回り道をえらんだ今日の
不意にやんだ雨の
でも消えない音

まるでなにかを告げているみたいな
星の明かり
チラチラと灰のように

つめたくない
光の行き先
私はしらなくて いつも
遠くばかり見ている
うっとうしいほど
規則正しくながれていく
ふとい管を抜けて

身体のほしがるスピードで
夜ができあがってしまって
声も出ないうちに
今度は朝になるのかもしれない

(駆け足)
2011.06.15
すぐかわく程度の雨に
手を繋いだ
ずっとおなじほうを
見続けていたのに
きみがどんな顔をしているかなんて
どうでもよかったんだよ

いつまでも
知らないふりしている
むさぼりあうように
伝え合う方法を覚えたのは
とうのむかしで
子どもだった

なにも変わらずにいたとして
おもりのような気持ちが
宝物だったなら
はなれることをきらい
肩を濡らせただろうか

ゆるせなかったことは
たくさんある
痛みに似た思い出の形は
大事にしたかったな

しあわせという
明かりを消した
とても小さくてみえなくなっていたのに
なくなると静かに
ぬくもりだけが残った

なにもおわらなくて
それでもなにかがはじまっていくから
懐かしいあの場所へ
行きたい

(きのう見た夢)
2011.06.14
氷のようだった
花はつめたく
にごった甘みがのどを通ると
私はゆらりと足をふみだすのを
やめたんだ

たおれて
壊しきってしまって
なにもかもいらなくなって
泣くのは

いけない
傷みが熟すだけで

飽きるほどにだきしめた身体を
もう一度
骨の位置もわかりきっている
食事のような抱擁を
しよう

いつのまにか夜になる
夏のにおいがアスファルトから立ち込めて
知らない町がふるさとみたいだ
帰るべき家のありかも
染み付いているようだな

気をつけて帰ってね
誰かは背景になってくれる

(回想)
2011.06.09
見慣れた色の電車にのる
息をつく
まるで吊られているような
規則的なひかりが円く
わたしの瞳まで届く

すべて予感
手のひらに滲んでいる
きのうのことのように覚えている
かなしみではなく
ただの準備不足だろう
踏み切りのない景色
ひつぜんせいのある配線だとしても
感じられないから

しぬほどに聞き飽きた歌を
今日だけはもういちど
リピートして

また過ぎるものにみとれている

(日常沿線)
2011.06.04
きみの声がただ聞きたくて
帰れなかったんだ
騒がしくなる胸のなかに
何度もえがいたきみの笑顔に
会いたくて
しかたがなくて

まっすぐ
見られたら
目が合って言葉を交しあえたら
よかったのにな
どこか遠くを眺めているふりをして
気にもかけてもらえなかったのに

だって
きみの仕草ひとつで
私の心に傷がつく

あがる体温
饒舌になってしまうこと
きみがやさしいこと
きみの背中
すべて

もっと近くにいってみたかった
誰もいなかったら
友達も知らない人もいなかったら
いいのに
ふたりでどこかへいけたら
いいのに

もうすぐ
どうしたって消えない雨のにおいの中で
きみの好きな花が咲く

(オートフォーカス)
2011.06.03
夜になって降りだした雨
すこしおっくうで
傘はささない
瓶の底をのぞいたように
よどんだ空
みちがえる街の顔
はじめて会ったときみたいなんて
霧のような水に濡れて
おもう

すぎていく時間は
砂のおもみすら残してはくれなくて
それなのに風が吹いたから
とばされちゃったんだなって
気がして

すこしだけ強くなりはじめるだろう
深まる夜に逃げ場もなく
落ちてくる雨の音

しっている
ただ汚く
プールのかさをふやしていく

(短い雨)
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