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2011.01.28
お風呂場でうたう
大好きな歌を
思い出に聞かせてあげる


きらいだったひとの顔
負けたくなかったひとの顔
いつも屈服せざるをえない
幸運なひとの顔

なにも
なにひとつ
うまく描けないのは
みんな好きだったからだろうか

わら半紙と
士気のさがる正直なクラスメイトたち
髪を切ったあの子
すこし照れてドアを開ける

おはよう
おはよう
おはよう

窓際で耳うちする
きみたちの将来の夢は
しっとしてしまうくらい
まぶしくて
真新しい
砂のようなほほ笑ましさで
わたしをいつも壊していた

 「competentでfashionableな、戦闘服だね、これは。」
 「つまらないジョークだ、そんなことよりも、」
 「資料集でみたあの屋根の色は。」
 「つまらない――歴史は。そんなことよりも、」
 「もうすぐ橋が架かるだろう。」
 「わたしたちには関係のないことだよ、でも、」
 「わたしたちが架けているみたい。What a beautiful――」

たいくつな月曜日に
西日はクレーンのかげを落とす
ぬすみぎきする駅舎の音階を
あらわれる新しい街の足音を
そしてわたしは片思いのことを考えていた

ここにはもういられない
伸びない背と増える正義
すり減る日々と鉛筆の濃さ
中庭の放課


逃げ出したかった朝

またあした
またあした
またあした

指紋をつけてしまって
誇らしげにまわりあるくせまい職員室
まるで
すべてが本のようにしまわれているなら


髪を洗う
数ある昨日ではなくて
わたしにも来るだろうあしたを
抱きしめてあげる

うたう
大好きな歌を

うすむらさきの煙の中で
わたしの遅いあゆみで辿った
でも忘れてもさし支えのない場所

またあした
もう一度
またあしたも
もう一度

うたう
からだじゅうで旅する
そうしてようやく縫い上げる
一枚の絵

(十七歳)
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2011.01.27
夕暮れの
カラーバランスいじって
凍るような冬の日々もやわらかい
きみの愛撫

まるで、
使いこなせない温度の
ゆきつく場所に見当はついても

目をつぶる

まぶたの裏に描いてきた
ありとあらゆる成功の形
こうして綴じていく物語はいつも
やさしくて
かなしい

はじまりがいつだったかなんて
覚えていないよね
だってはじめからそこにいたみたいに
きみは笑うんだから
温かい肌を
惜しみなくさらして
つめたくなる指先を
赤くなる頬を
わたしに差し出すんだから

迷子みたいに季節はあるく
みえている町
足音をそっと
数えている

(踏み拉く)
2011.01.27
いつもと違うんだね
ボタンにかけた手がそう呟いた
気がした

今日もまた新しく旅にでよう
朝が来るたびに悲しくなるのは
本を読みたくなるのと
おんなじ理由だって
おもって

きみが言ったのかな

そばにいると溺れるよ
網膜にふりそそぐ乱反射
きみが泣いたのかな
くるしい

(溺れる私)
2011.01.27
手のひらの大きさを測った
にぶい太陽はすこし欠けた
ちょっと頬を叩かれて
ふりむくと冷たい風が

ああ
こんな真冬の空にも
あつぼったい入道雲
油絵みたいに黙っている
黄金の海みたいだね

飛び込もうかなあ。

ここで君から電話
ボタンを押すのは素直な親指
でも不器用でしくじったりする
かわいそうな私のくちびる

あかいね
あおいの
やさしくしてよ

二人して笑いあった風景
ファインダー覗くありふれた場面さ
たとえば夜に融けていく街灯(ライト)

飛び込んでいこうよ。

(黄昏)
2011.01.22
青い靴を脱ぎ捨てた
昨日がはじめてのふりなんだ
歌は歌
恋とは違う
教えてくれたのはきみじゃない

走り抜いて
がけっぷちの他人が
こわくて
笑っちゃうよ

電話の向こう
くちびるからあふれる思いが
線にのらないさみしさを知ってる
私だけポケットに武器を持っている
勝ち気でいると
涙が出る

(転び時)
2011.01.22
きらきらのボタンを外す
まっしろい海で下手なクロールを
ぬるいベッドにふたりして潜ろう

骨の位置を覚えた
カップスープをすすって
リモコン
すぐに見失う

窓のない暮らしは
つぎはぎの映画
ラブとストーリーのあいだの
つめたい呼吸をわけあってる

本をよまないきみ
音楽をきかないきみ
すこしずつこっちまで流れてくる
あたたかさに溺れないで

(一秒と百年)
2011.01.09
まくらは低い位置にある
とびこえようと
骨を折る

みえない敵に背を差し出すと
バブル・バスのように世界は乳白色に埋もれた
教科書の隅々まで
きみは糸をたらして
いじきたない生徒たちが飛びつくのを
笑っている
笑っている

なんてつまらない日々に
ぽっかりと浮かぶ太陽の影は手のひらに乗って
握り締めたら焦げ付くような
石のにおい
におい


転ばなければいいんだって
知らないから
はやく
はやく

(ハードル)
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