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2010.12.28
指先に音が集まってくる
目をひらいた十二月の寒空
瞬間冷却された他人の足跡を
律儀にたどらなくたって
よかったんだけど、

思わずほどけていく
なつかしさに

困り顔のきみ
いつもこうだろう
明るいほうが上なんだって
なんとなく思っている
本当のところは
知らないのに

朝、駆けていく
悴んだ利き手
板書を追うのをあきらめる

悲しみがこびりついていた
熱湯消毒したあの日の思い出と
ついに壊れたボールペンは
化石にすらならなくて
生々しくて

廊下に声がひびく
たかどの 夢殿 資料集は恋

(階段も青く)
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2010.12.28
いくつかの手紙をやぶった
あのとき たとえば空は燃え尽きた
うすい布を抜けて満ちていたひかり
両手いっぱいのぬくもりを
逃がすことのないように
抱いた

体の芯がやわらかくなる
水辺の風景画 過剰装飾のビル
ふっとうするまえにひっぱりだしたかった
未読の本も積みあがれば
まるで思い出のふりをしてくれる

歩みの遅さにあきあきとする
慣れ親しんだ色の雨 濡れれば香る故郷の土が
ブックマーカーを汚す

(結び目のこと)
2010.12.21
光が運ばれている。

進行方向の反対側から、ふつふつと泡のように
ほどけて流れてくるものがあった。あれが街灯。
ひとびとは円く集い、なくした星のかたちを思
い出そうとしている。(それはあくまで作業で、
宿題とおんなじでただ鉛筆をすべらせていれば
よかったのに、)ロボットのように在れない。
あきらめのつかない二択が、すべてのひとのは
らわたにひっかかっている。

毛皮をはいでゆくような罪の意識があるけれど、
美しい宇宙の片鱗をおもえばよかった。血脈が
みえないのに流れの普遍性を知っていたのは、
どうしてだったかな。すうこう。教科書には書
いてなかったこと、きみがかくしていた日記に
はきちんと載っていたね。僕は淘汰されん日を
待ちたい。なにか神聖なものの一部なんだ。こ
んなにも不確かなのに確かに鳴っている孤島。
僕は(すべての僕もそうするように、)吸う。

ホームには半透明の人間がころがっている。微
生物のように拡大しないとみえないものなのに、
どうしてもと僕が言ったから膨らんでくれたん
だろうか。きたなく笑ってくれたんだろうか。
箱はもう長いこと停車している。

「落しものは、ない。」

たかいところから低いところへ、丁寧にのばし
ていく手のひらのかたち。覚えたばかり記号で、
すべてをつくってしまったのは誰。ゲームに飽
きてジュースをこぼすと、また夜はひろがって
いく。合図はきみに聞こえたかな。ここには、
何億もの世界がある。主観に依存している、切
れかけの電球みたいな現象の、渦なのに。

(going down)
2010.12.12
みどりのさかなは天井のゆめをみる
恋人の影をおいかけて
目を閉じたままおよいでいく

ばらの花をのみこんだ
とおい日の嘘も
いとしくて傷つけたきみの手も
すべて抱きしめていよう

みどりのさかなはさみしさの果てを踏む
かがみのなかの大切な心を
壊さないように
わらう

短くなった髪
記憶の奥で溶けつづける氷のにおい

すべて抱きしめてくれるの?

焦がれてしまって仕方がないんだ
いつまでも
いつまでも

(魚の記憶)
2010.12.08
わたしの海からこぼれおちてきた
きみは
まるで他人のような顔をしていた

におい

あふれるのです
決して運命じゃなかったとおもう
でも

あたたかみのある手のひらを
肌のいちばんひろいところに押しつけて
試したこと
混ざらないこと
消えないこと
知っていたことを知ったこと

ああ
しったこと
きみをしったこと

(いとしさの代価)
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