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2010.08.28
ビルの影は重なって
きみの影をかくす
ぼくは
笑う

夏といっても
終わりの今日は
つめたい風に皮膚が喜んで
走り出したく
なったりするね

決してうなずかないきみに
追いつけないぼくの足
わがままも
言ってみれば
同じように
また次の季節に
のまれていく
感傷と一緒に

ずいぶん遠くまで来た
気がするだけ

国道のまじわって
その奥
懐かしい草のにおいに
夕日が落ちてくるの
待とう

(ふたり未満)
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2010.08.28
坂道をおりていく
見せかけのデート
助手席なんてものはない
荷物みたいに
はこばれるだけ

海を見たいと言えたはずだった
子供の心
すてきれない私の葛藤は
あなたのビー玉みたいな瞳に
うつっていたのか
どうだろう

推測だけで昼はすぎ
くれていく二人の温度も
いつまでも同じにならないのに
おりていく
終わらないから
坂道が
おわらないよ

(青さの漸近)
2010.08.28
ようやくおぼれているって気づいた
にごっていく視界の中で
キラキラしているのが
昨日

吸っても吸っても
まだ足りない
吸っても吸っても
ここにはない

バケツをひっくりかえしてくれ

白い煙みたいな呼吸をしている
魚になれるのはいつ
未来は近いようで遠く
手に届く錯覚が
いつでも僕をわらう

吸っても吸っても
ここにはない
大事なものは
どこにもないね

花のように流されて
あの角にひっかかって
いつか朽ちるのを待つだけの日々も
この手には遠い

とまっているもの
景色、冬の街のにおいを、僕は捨てない
捨てない
ほしくないから
ああ
でも

(その泡沫が信号)
2010.08.28
たとえば君のそれは落書き
僕のこれは立派な宝で
そういう違い

記号は記号だって気づいて
頭の悪い動物みたいに
体温任せの
恋なんか捨てて

閉じた本 すべて
思い出せるわけじゃないから
行列は滞る
目的なんて忘れた
かろうじてつかんでいる
理想の輪郭をなぞると
悔しい気持ち
それだけまぶしい

(背比べ)
2010.08.28
手に入りそうなものばかり
絵に描いて
笑っていた

つめたいドアノブに
額をあてて
聞こえない物語は全部
うそだって
かっこつける

飴玉みたいに転がす
いつかのペア・リングだって
思い出の味なんかしない
汚い味
さびた味

引き出しにつめこむ
いらないもの ほしかったもの
今ではもう
遠い国みたい

(口直し)
2010.08.28
水浸しの靴で踏む
アスファルトのやわらかさみたい
まるまった音の粒
転がして
転ばないで

立ち止まる
いつもの道で
ひゅるりと風が吹いても
私の今日はまだここにあった

放り出されるみたいに
朝がきて
ひかりを浴びて
わがまま言ったって明日は
出かけなくちゃいけない
なんて

新しい傘を
ずっとしまっていた
きっかけがないと
泣くこともできなかった
かわいそうな心が
震えながら何かを持ってる

(エスケープ・ホール)
2010.08.28
下手なうそでも
たまにはいい

私のためにすべてを捨てて
むき出しで傷だらけの汚いからだ
抱きしめるのは私だけだから

靴を脱いで気づく
世界の冷たさと 他人の熱さに
それからどうするかなんて
君はきっと選べない

この手をとるよりほかはなくて
飛び込む冷たい
プールじゃないから

(挺身)
2010.08.28
私を選ばない私のことばに
ふれて傷つく
未明の

割れた花瓶と
わかれるかぜに
平等な壁が
くずれおちなくて

ひとりだけで水のように
まっさらに眠りたくて
静謐な街の
フレームの外の明かりが
いらない

(群青)
2010.08.22
まるで夢のよう
と思うんだ

しずかな水面に触れる前に
きみは私を汚そうとする
だって
それが合理的だから
なんて微笑む子供の顔で

額まで染まる
透明な常軌

広い鏡に横たわって
もうひとつの世界まで
飛び込みたい私の四肢を
押さえて
だめ
って呟くんだ

いつも終わりにするのも
きみ

勝手に覚めて
甘えるその手が
憎くて憎くてたまらないよ

(同じ水槽)
2010.08.20
夏の終わりが
僕をくすぐるようだった

沸きだした熱が
いつの間にか
きみのかたちになって泣き出すと
僕は立ち止まるばかりだ
ここがどんな道でも
同じ

夕暮れの光は
ふたりを隠すほど眩しくはなく
ふたりを引きはなすほど
冷たくもなく

ただ揺れていた

砂浜に置いてきたサンダル
あの日へ導く栞みたいに
僕らを呼んでくれたなら

ああ
嘘ならもっとよかった

(片結びの夏)
2010.08.20
懐かしい歌に目が眩んだ
もう冷たくないグラス傾けて
きみと一緒にわらった

手を伸ばして光にふれた
割れてしまった風船みたいに
だまったままの可愛い顔


まただ、しっぱい
ばかりする


ふいに振り上げた斧が
誰かの芯まで潰してしまうと
傷だらけの世界を囲う
花の多さに驚いたりして

きみは歌う

今度は輝ける気がする
ほしくなって
吐き気がして
それでも横たわったままの
未来を信じきっている


ビルのない街
遠くの城が
全部私のものみたいだね

ひとすじの明かりが小川のように
ひび割れた心の表面を
あらっていく

この瞬間も
まだもがいている

(つめの先まで平坦な)
2010.08.12
星が散らばって薄明るいような
夜じゃない

草、掻き分けて
ゆれる仄かな水気
まだはやいけど朝露と呼ぼう
つめたい手と手を
繋ぎあって
できるだけ早く逃げよう

花火をした
バケツをひっくりかえして
騒ぐふりや
笑うふりで
楽しく過ごした

しおりをなくすと
巻き戻しの夏を、
なんて
都合の良いことは
なかったね

つらぬくほどの衝動じゃない
軽くひっかけたサンダルみたいな
驚くほど柔い動機

手に入るものが多かった
明けるまで
そわそわして
永遠とうそぶいて
くだらなさに
力を抜いて

落ちてくる
ひかりもない
ふざけた歌
僕にも教えて

(おにごっこ)
2010.08.12
教科書を眺めているみたいな
気持ちになる
あなたを呼んで見つめられて
ふざけたことを口走る
今ね

忘れそうになっていたんだ
思い出のかたちを削って
いいようにしまっておきたくて
水槽の底
沈めたいつかのおもちゃみたいに

そんな
こともね
するよ

出来れば強く生きたい
なにもなくさないような強さではなくて
失っても立っていられるような
とうめいな芯を
この身体にもっていたいんだ

傷にする治療はなくて
目を塞ぐんだ
いつも
だよ

(日記の向う)
2010.08.12
ビー玉ころがす
坂道は暑く
追いかけるきみの
背中もまるい

手を焼くような直射日光と
凍らせた水の温度
見上げた空のひらべったさ
入道雲をかぞえて
ひとつ

風を待つ

(焦がしていく)
2010.08.05
つめたい麦茶が喉をとおる
でかかった言葉のじゃまになって
また

ちらかった部屋に
つのる不器用な言葉が
目に見えて凶器になれば
あなたにだってしめせるのに

裂いてしまいたい
壊して
壊させてほしいな

つかみかけた手のひらに
砂交じりの心だけ
何度も同じ風を浴びて
ひかりをぬすんで
誰より

今度こそ言えるなら

(決断)
2010.08.04
すっぱい果実のにおい
しずくの落ちて僕が青くなる

どこへでも行けたんだ
あの日
地平線のみえない庭で
終わりまで始まりまで
いくらでも足りなくて
騒いでいた

ゆずれない思いとか
やりきれない思いとかも
全部つめこんでしまえたなら
吐き出すこともできたのだろうか

うしろすがたしか
思い出せないよ
凛としたあなたの声は
陽炎みたいに熱のなかで消える
傷だけつけて
駆け足で消えてく

(夏の跡)
2010.08.04
悲劇的な顛末なんてなかった
そんなしぐさが悲しいだけ
足どりはもうずっと軽かった
適温で生きているから

並木の合間
影をつれてゆく
逃げ切れない現実のつま先から
僕らは目をそらす
楽しいことがしたくて
泣き真似ばかりだね

どこに行こうか
まっすぐの手順を踏むことも
知らないかな
きみはまだ幼く
いつか早く走れることを

僕はいつまでも止まり木
水色が落ちてくる
きみへ落ちてくるよ

どこに行こうか
どこへでも行けたら

(地図のない町)
2010.08.04
白い絵の具をこぼしたみたい
空はあいかわらず眩しい
僕の好きな歌をきみが歌う
なんてことない言葉を連ねて
ゆるやかに落ちていく
風に乗る花のにおいですら

ずるがしこくなろうよ
こんなに痛がる必要はないよ
もっと鈍感になろうよ
僕も君も他人だって
おぼえているの

本をとじて
誰かの思い出に重なって
ビルはまだ群れていなくて
土の色が見えて
靴紐がほどけて
ようやく振り返るくらい
手を伸ばしてもいいと
はやく教えていてくれたなら

心地よく吹かれて
ながれて
消えていってしまうかな
川のように僕を洗う
つたないそのくちびるからこぼれる
夏が

(ふたり)
2010.08.04
投げ出した足が
おおきな白い雲にささって
僕はたおれる
遠い塔
だれかの築く夢物語に
便乗して泣く
ああ
笑ったりできるよ
つらくなんかないよ

橋の向こうの景色を
描きながら一歩踏み出す
風のつよい水際
とばされないように
お気に入りの帽子も
片手があくと
おもわず掻いた空気中に
溺れてしまいそうだなと
思って
栞をする そこに

熱をもつ
肥大化するくだらない感傷が
だれも
きずつかない世界で生きて
僕は重たい凶器をにぎっている
きみも
ああ
きみもだよね

(八月の遊歩道)
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