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2010.05.29
終電できみは帰る
嫌というほど吸い込んだ熱を
私にあずけて
きみは帰る

電話の声はべつじんだった
子どもの書いた字みたいに雑で
きたない声

それでもまだ聞いていたかった

いつも
頬にふれたがるね
その指には傷がある
私じゃない誰かがつけた
ちいさな傷

胸の奥に
刺さる何かを
無視するのはかんたんで

私は笑ってまたきみに会う
ばいばいって
言いたくないのに

(夜明けのきみ)
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2010.05.29
手足の傷をみせびらかして
きみは笑った

乾いた砂をください

その汚い言葉遣いを
だれも叱らないから
この世界が埋まるほど
つめたくなった身体が
壊れればいい.と
ただ祈る

(追い立てて)
2010.05.29
すれ違う人の髪
短く切りそろえられた いつかの約束みたい

痛みだけで足を伸ばして
つかれきった顔に くちづけを落とす

泣かれてしまってもいい
だってそういうふうに何度も
取り繕って 壊さないでって

ただでさえ苦しいのを
すべてあなたのせいにしたら
悔しがって
笑って
くれるだろうか

(宵の窓)
2010.05.29
ひとつでもふたつでも
転んでしまう
夏の背中に

交わせなかった合図の
内側にしのばせておいたはずの
愛を
誰も拾わなくて
さみしい

交差点でとばされた帽子
風に色はないけれど
例えるならば淡いピンク

(素通りの季節)
2010.05.15
ひとりでは歩いていけるけど
ふたりでは歩いていけなかった

つよいひかり
濃い影
ついえた花たち
甘い襞を食べるきみ
空腹をわすれたわたし

つかれたら立ち止まった
ふりかえることなんて
ふたりは知らなかったから
立ち止まって
ねむるだけ

号令を待つ
うってつけの運命だけを
きれいに消費したいから
あとはごみくずみたいなもの

ってきみは言う

理由を書きとめてみて
うごく感情にまかされないための

ひき摺りこまれるような空
目が壊れてしまったら
これ以上
どうできるのだか

手のひらのかたちをした欲でさわられた
心地よくもなくその逆でもないのに
ふたつの文字を手に取ったら
きみはわらった

えたいのしれない喜びに支配されて
からだじゅうが濡れる
乾上ったはずの世界でひとつの
川の流れをただ見つめている

わらい合うのは
得意

(果実の中身)
2010.05.11
何度も忘れた夢の続きに
もう立ち尽くすこともできないよ。

……絵本を閉じる

しろいフラスコのなかで生まれて
青い点々のひかりを浴びた
からだじゅうの穴には歪な管がつながれていた

 発生の温度を知るということ

その管という管の向こうから
小さな声が聞こえてくるのをぼくは知っていた
のに
「ずっと気づかないふりをしていました」、と
きみはすべて見抜いていて
ぼくはただおそれるだけ

 なにかに陥るということ

きみはひとりで生まれてきた
ぼくはできるだけふたりで生きていたくて
おなかの傷が濃くなる濃くなる
朽ちる準備に夢中です
ほらひたすらに育つから

……絵本をひらく
……閉じる

それはひどくごつごつとした夢

(周期性のない周期)
2010.05.11
水色を
すきだと彼女は言った

うるさく騒ぐ光じゃなくて
プールの底から見上げた
太陽の輪っかみたいな
とうめいな色

夏でも
裸になれないから
さらされない本能を包む
やわらかい指先でいじってよ
悪戯に触れ合うと
気まぐれな風が吹く

彼女には羽根がなくて
それを嘆くその瞳には僕が映っていて
それがすべてでしかなかった
閉じた目蓋の裏で
終わる映画を僕らはにくんだ

(後出ししかできない)
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