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2008.11.29
その道はしずかにあるだけ
悲しくはないから
足跡は追わないよ

雪が白くてまぶしい世界
おちてきたあのひから
変わらずにいられたらなあ
なんて期待は捨てろ

丸まったゴミくずみたいな星で
歌わずにすごす日々が多いなんて
小食のきみが飲み込めない数々を
僕がだきしめてほどくのに

(mid)
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2008.11.24
痛みを
意識することができたのは
いつからだっただろうな
あの花の名前を僕はしらないけど
たぶん君も知らない

ピアノの上に遊歩道をつくって
君が走り回れば
不況分散和音遠くなる
そらのどこかに届くのにな

久しく手紙を書いてない
あかりをつけるのも
どこかためらいがちになっている
インクが足りない
紙も足りない
空気も森も電機も

窓をひらけば風が吹いてくるだろうか
こわくてこわくて何もできない

涙を流せば肌になる
それはたしかにあまずっぱい
気がしたんだ

(プラスチックリング)
2008.11.24
風に身を任せることができないよ
透明な世界にたおれこんで

呼ばれない心臓の奥深くの
私の子供を抱きしめたくて仕方がなかった
電子音はしずかにきざむ
今日の日をたった今を一秒先の未来へ導く
魔法みたいだった

あーあーあー
歌えない歌が増えていく音のない海
おぼれていくのにやまない耳鳴りが
あーあーあー
そして丸くなってしまうよ
そこには光がないから
丸くなってもいいんだよ

静かに笑うというのが得意だ
昔からページをめくるたびにそわそわしてしまうけど
我慢できるんだ
弱くなんてないって叫びたかったんだ

ねー
そっちの世界では星がいくつ見えるだろう
今まで生きてきたことすべてを悔やんでいる
であってしまったことをすべて嘆いているよ
ほら痛い

らせんは延々空へと続く
花束をひとつ投げて いつか地上へ続けばいいと
ふやけていく視界はおわるそうぞうをめぐらせて
とても小さな精密機械の
生暖かい吐息を

私はそれを感じたかった
生まれたばかりの子供には知っている言葉なんてないのに。

あーあーあー
消えてしまっていいんだよ

(浅瀬でみる夢)
2008.11.24
太陽にふれることはできない
燃え尽きてしまうから
祈ることもできない
信仰なんて場違いだこの部屋で。

やわらかい鍵穴に
差し込んだ指先からは
誰かにはみえない信号が連なっている。

すぐに 届いて
すぐに。

(違う)
2008.11.24
君が咲くことはなかった
とてもまっすぐで平らな世界で
水が重力のままに落ちて
冷たくて

伸ばしている指は
かすかなにおいを無視する
気づかないふりで牛乳をこぼした
名前を呼んでもらえないのが
悔しくて
上履きを蹴った

湖になってしまった
金魚がおよいでいるのを見ていた
明日の予定はいつも未定だ
どこまでもせつない汽笛が
鳴るよ

はだしで駆ける遊歩道
冷たい視線は下駄箱で
僕をせめる

(伝え合わないということ)
2008.11.24
何曜日が一番好き?
と、しらないひとたちが話し合っている
私は
よくわからないなあと思いつつも
やっぱり土曜日かな
それとも水曜日かな
などと思考をめぐらせるんだった

それはどこに届くこともないけれど
割れないように割れないようにと抱きしめていたその日々が
今もこの胸をくすぐるとしたら
悲しいことなのかもしれない

今日が雨だったら
理解することができたすべてのものは
今日が晴れなので
あまりにも美しい晴れなので
不条理の波のなかにふたたび帰っていく

触れることはできず
祈るように思うだけの白昼夢
やさしくはない、決して
だけれど不思議と感じることがあるんだった
梯子のような光の束が
誰かの髪を焼く
そういえば
今日は月曜日なのに

(桝目)
2008.11.19
この世界に春が来てしまってから
たえまなくうごめいている電子音の数々が
私の耳を壊していくんだった

ここはたったひとつの宇宙
小さな箱の中で
鮮やかでまぶしい世界が焼かれている
焼かれていた

忘れないということになっている
願い事をつぶやいたけど
なにを言ってるかわからないから

知らない誰かからの電話を
知らない誰かの声を聞いている
ひたすら聞こえてくるのは悲痛な叫びで
見て見ぬふりができない私は
適当に傷ついてしまうんです、と
苦笑いだけをしつづける
逃げられないんです
終わらないんです
それどころか
はじまってしまう

した
噛み切りそうになって思い出す
ここは今だった

(世界の核)
2008.11.19
君は壊れてしまわぬようにと
傷だらけの動物たちを抱きしめて笑っていた
森の中では
時間のたつのがすこし遅くて
流れている夜の静寂をなにかが突き破るのを待つ

そして
確かな感覚をまもって刻み続ける
水が落ちて、そばに、
あたらしい海をつくりたくて、泣いて

忘却の曲線をたどっている
ひとつのグラフをながめるように茫然と
ささやくように歌う
羽根のない天使のなまえを
おもいだせなくなる

体中に
重々しいひびきがのしかかってくるのを
はらいのけ、
どこまでも飛べるような気がしていた
手足を自由に動かして泳ぐのにあこがれていた
いつも、
無垢であれと、
鳥になってさかなになって花になって
冬になって


液体になるまで
声は空気に溶けていくけれど
ほの暗く、
誰もしゃべらないこの場所では
すべてのものが白く嘘のようだとも感じるので
君は
しおりをついにはずした
瞬きをして
かたむけるのは今にもほつれるいくつかの糸
足音が聞こえる

君は
壊してしまったものたちに
ざんげするざんげするざんげする
今日も昨日も朝になればざんげする
星がみえなくなるまで目を閉じていた
ほらざんげしろ

(creep)
2008.11.18
動かない指先に信号を送る脳内で
ひとりの男子を蹴飛ばした数年前の今日がよぎる

何度眠っても忘れられない出来事が
今もぐるぐるとお腹の中をめぐっていて
届きそうで届かない二本の指のように私を
崩す

足りないけどそれ以上は致死量だ
じゃあどうするの
急に投げられたスプーンをなめるように見つめた後
砂や鉄棒や枯葉のにおいをありありとよみがえらせて
上を向いて
そして

(春の庭)
2008.11.13
飴玉を吐き出した河川敷

本日は天候にも恵まれ――
涼しい風をあびながら平坦な青い空に見惚れている。
だって、そこに雲がないから
ここが球体だってわすれてしまうの。
きみはくすくすとおかしそうに笑うんだった
ぎゅっと握り締めたタオル
くびすじにじっとりと汗をにじませて。

乱れない呼吸と、痛む足
想像もしなかったんですときみはわらった
仕方のないひとだねときみもわらった
だけどきみはくちびるをかんで目に涙を浮かべていた。

つめたい空気に気づくのはもっとあとのことで
せいいっぱいおにぎりを頬張るきみはかわいかった
いつまでも
土手に並ぶ詰襟の影
親指にさした安全ピン
不器用さをわらいたいのにきみはどこまでも切なそうだった。

あきらめないことが大切で
挑戦する姿勢がすばらしい
何億回言われたか もうわからないけど
ぼくという人格は
ほんの数ミリの切り傷で壊されてしまったな。

クラスメイトの名前は覚えている
みんなどこを見ているんだろう
そんなことを思いながら肩をたたいて追い抜いていく

誰も待っていない虚構へ。
青々とした芝生になげる体はまだ立っていられるけれど
ただカメラを構え続けている
永遠におとずれないゴールのためにぼくらは
ころがるようにして。

(終わりの合図)
2008.11.13
にじみでるものが
枯渇した
きみのどこかを
僕がくすぐる、と
涙のようにこぼれてくるもの
ぽろぽろと
泣くはずだった場所

ねえ
忘れているのかな
夏になれば君はギターを捨て
見もしない宿題をかばんに
どこかへ行くんだったね

名前を呼び合っている
認識されている存在が
おどろくほどで
きみは
かわいてしまう
かなしく
なるほどに、生まれ変われない
僕らは

(飛べない)
2008.11.13
ばんそうこうなくした
馬鹿だなって笑うかもしれない
うるさい呼吸で

ふれそうでふれない指の
悴んで覚束ないしぐさに
泣きたくなる
もどかしくつめを切らないでいたよ

(痛みのたぐい)
2008.11.13
冬の車道にぼくは蝉をみつける
暖房を効かせたひろい町のどこかで

あの子がすきな作家の本を
ぼくは読まないけれどたくさん持ってる

早朝につんとした風が耳を抜ける
まぶしさに目を塞げるなんてうそ

名前のない音楽にふれている
実感よりもぼんやりとした理想で

足元にツーカートンのラッキーストライク
映画みたいに雪は降らないけれど

(She's Crying)
2008.11.03
君が大切で
なによりも大切で
なくしたくなくて
歩けなくなる僕の弱い足。

――夏にならなくても、海の青さはわかりますよ。
400字詰めの原稿用紙と
握り締めた鉛筆の温度差に君は笑う。ソーダのアイスの棒をいつまでもなめ続けて
吸い込む夏の味を君は嫌いだと言う。

僕は何度も思い出したあのシーンを
せつなさを忘れるためだけに再生する。
飛ばない鳥を数えるように
簡単な痛みに胸をこすられている。

まぶしい太陽の下。坂道ではスピードあげて、ゆれる長い髪をただ見ている。
一人では生まれてこれなかった悲劇的な僕らは、せっかくの世界でも孤独にはなれなかった。
慣れなかった。

言葉がいらなくて、のみこんだ
苦しいとか切ないとか悲しいとか君はひとつも言わずにただ笑った。

――次は何度目だろう。私、ここにいるんだね。

はだしで線路を踏んだ。わらうのにやりきれないこのおもいでぼくのむねはきずがふえていく。僕は生まれたのは海のない町で、君が生まれたのは海のそばの町。畳の上にせみの声がした。病院の受付でいつも泣いていた。疲れて眠る子供のような君には、うそのような希望すらなかった。神社の日陰で君は靴をぬいだ。


君が大切で
なによりも大切で
閉じ込めておきたくて
つかんだまま離せなくなる僕の弱い両腕。

君は笑う
青い空の下で手をふる。


その目は永遠に僕を見ない。

(千年目の夏)
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